しま子の読書会ブログ

読書会をするブログです。たまに私が見た本や映画の紹介もしたいです。

第三十三回「Lilith」 川野芽生

私たちの読書会史上、初の試み。短歌集です! 私は短歌集が好きで一度は短歌集を読書会でやってみたいなと思っていました! 「ねむらない樹」という短歌のムック本を読んでいるときに評判だった、川野芽生さんの「Lilith」を今回の課題図書にしてみました! …

第三十二回「ナナ」 エミール・ゾラ:著 川口篤・古賀照一:訳

もう三月になってしまいました。 それもこれも毎年年末に行われる、「読まなきゃいけない気がするけど、きっと読むのはおっくうな本をくじ引きで決めて読もう」企画のせいなのです。 今年は姉がくじに入れたゾラの「ナナ」。 ゾラかぁ・・・ 受験期に覚えた…

第三十一回「NHKこころの時代~宗教・人生~ それでも生きる 旧約聖書『コヘレトの言葉』」 小友 聡:著  (NHK出版)

日本では宗教と言えば、少し敬遠されるイメージ。 「それ宗教じゃん!」 って日常会話で、出てくるときにはやはり良いイメージの時ではありません。 でも世界に目を向けてみると宗教を信じている人が6~8割です。ほとんどの人が信じています。 私自身も無…

映画鑑賞③「ソラリスの著者」

100分で名著の「ソラリス」で興味を持ったスタニスワフ・レム。まだしっかりと作品を読んでいなかったのですが、東京都写真美術館で行われているポーランド映画祭 のアンコール作品で「ソラリスの著者」という映画がやっているというので、見に行くことにし…

第三十回「プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか」 メアリアン・ウルフ:著 小松 淳子:訳(インターシフト)

今回の参加者;私、姉、シュガさん いつも小説ばかりにお世話になっている私にとって文字を読むことは当たり前の行為です。そしてここで文字を書くことで、読んでもらえる(少なくとも姉とシュガさんには!)ことも当たり前のように感じています。 でも、書…

第二十九回「声」 アーナルデュル・インドリダソン:著 柳沢由美子:訳(創元推理文庫)

姉「次の課題図書さ、アーナルデュル・インドリダソンの『声』にしようかなぁって思ってるんだけど」 と、あまり乗り気ではない様子で課題図書をいう姉。それもそのはず実はこの作品、エーレンデュル刑事シリーズの三作目なのです。 姉「一作目と二作目を私…

第二十八回「闇の左手」 アーシュラ・K・ル・グィン:著 小尾芙佐:訳(ハヤカワ文庫)

くっ!まったく読み進められない! SFでは珍しく大苦戦しました。 原因としては世界観が確立され過ぎていることです。 惑星ゲセンを舞台とした物語なのですが、そのゲセンの街の名前も多彩です。 (ル・グィンのサイトを見ながら懸命に主人公たちの足取りを…

第二十七回「秘密の花園」 バーネット:著 土屋京子:訳 (光文社古典新訳文庫)

今回の参加者:私、姉、シュガさん 植物を育てることって大変です。 小さい頃、おばあちゃんに買ってもらったトマトの鉢植えをベランダで一生懸命育てていました。 ある日その鉢植えの草がたくさんの芋虫に食べつくされ、ダメになりました。 おばあちゃんと…

第二十六回 「火星年代記〔新版〕」 レイ・ブラッドベリ:著 小笠原 豊樹:訳 (ハヤカワ文庫)

今回の参加者:私、姉、シュガさん SFは読書会を平和にします。 シュガさん「全体的にすごい面白かった!」 姉「とても面白かった!」 私「楽しかった!」 いつも殺伐としたスタートを迎える読書会があら不思議、SFになるとたちまちみんなの意見が一致し…

読書記録③:「進化の法則は北極のサメが知っていた」 渡辺祐基 著

学校で習った理科の授業は点数を取るためだけに覚えてました。 とにかく暗記、暗記、暗記! ああ、なんてもったいないことをしていたんでしょう! こんなに私たちの身体に関わっていて、面白いことばかりだなんて! 「進化の法則は北極のサメが知っていた」…

映画鑑賞② 「ジョジョ・ラビット」

あまりにも余韻が素晴らしい映画だったので、ぜひ色んな人に見て欲しい! そんな気持ちを込めて感想を書いていきたいと思います。

第二十五回 「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと」 奥野 克巳:著 (亜紀書房)

今回の参加者:私、姉、シュガさん あけましておめでとうございます! 昨年度はなかなか忙しくて更新できなかったのですが! 今年は頑張りたいです!(毎年同じことを言ってるようなきがします) ありがとうとごめんなさい。 道徳の授業で一番最初に教えられ…

第二十四回 「すべてがFになる」 森 博嗣:著 (講談社文庫)

「人生は孤独であることだ」 とヘルマン・ヘッセは言いました。 死ぬまで孤独です。特に死ぬ瞬間は孤独の頂点ではないでしょうか。 そんなことを考えさせられたのが、今回の課題図書。「すべてがFになる」でした。 孤島のハイテク研究所で、少女時代から完…

第二十三回 「死者の奢り・飼育」 大江健三郎:著 (新潮文庫)

今回の参加者:私、姉、シュガさん 現代文の苦手だった私は高校一年の時に問題集を買いました。その中に「死者の奢り」が入っていました。そして……現代文という教科への苦手意識はますます深くなっていったのです。 あまりにも訳の分からない文章で実際に文…

第二十二回 「重力と恩寵」 シモーヌ・ヴェイユ:著 田辺 保:訳(ちくま学芸文庫)

今回の参加者:私、姉、シュガさん シュガさん「今121Pなのだけどまったく内容が頭に入ってこない」 こんなLineがシュガさんから送られてきたのが読書会前日、深夜十一時でした。 何と残りページ数231P。 100%読了不可能です。なぜなら私は…

第二十一回 「バイバイ、エンジェル」 笠井 潔 著 (創元推理文庫)

今回の参加者:私、姉、シュガさん 今回の課題図書は姉から出されたものでした。姉はすでに読み終わっています。 文庫裏のあらすじを読むと 『ヴィクトル・ユゴー街のアパルトマンの広間で、血の池の中央に外出用の服を着け、うつぶせに横たわっていた女の死…

第二十回 「IQ」 ジョー・イデ 著 熊谷千寿 訳 (ハヤカワ文庫)

今回の参加者:私、姉、シュガさん シュガさん「なんかこう、何も考えず楽しいの読みたいよね。読書会も『楽しかったー』で終わるような」 今回の課題図書を選んでいる私にシュガさんはそう言いました。 私「じゃあ最近話題のミステリー小説にします? こな…

第十九回 「罪と罰」 ドストエフスキー 著 工藤精一郎 訳 (新潮文庫)

今回の参加者:私・お姉ちゃん・シュガさん これは私の何の罪への何の罰なのでしょうか・・・ いままでこの読書会でも年末年始には「細雪」や「白鯨」など、本として重い題材を扱うことが多かったです。重い題材を扱うときは全員でその本を決め覚悟を持って…

第十八回 「ケン・リュウ短篇傑作集② もののあはれ」 ケン・リュウ著 古沢嘉通 編・訳 (ハヤカワ文庫SF)

シュガさん「この短篇のこの一文がとても良かった!」 この一言でこの日の読書会の運命は決まってしまうのでした。

第十七回 「水滸伝」 施耐庵 作 松枝茂夫 編訳(岩波少年文庫)

シュガさん「いやーいま幻想水滸伝ってゲームにはまってるんだよねー」 この発言を聞いたときから嫌な予感がしていました。 幻想水滸伝。 確かに面白いです。色々な事情を抱えた個性的な仲間に出合い、集めた108人の仲間の中から6人のパーティを決めて敵…

第十六回 「増補新訂版 アンネの日記」 A・フランク 著 深町 眞理子 訳(文春文庫)

年末に毎回行われるのが「読まなきゃいけない気がするけど読む気力が起こらない本選手権」です。 三人が三つの紙に選手権の代表にふさわしい本を書きます。 それをビニール袋にいれて取り出し、その本を読むわけです。 過去には「細雪」や「白鯨」といった本…

読書記録②:「敗者の読書術―圧倒的な力の差をくつがえす発想法」 高橋弘樹 著

お恥ずかしいのですが、私は「読書術」という名のつくものが大好きです。 「楽しいから本を読んでいるんだ!」と胸を張って言えればいいのですが、そんなピュアな心は小学校に置いてきてしまいました。 ふつふつと湧き上がる、どうしても読書を「自分に還元…

第十五回 「雪の断章」 佐々木 丸美 著 (創元推理文庫)

今回の参加者:私、お姉ちゃん、シュガさん 姉「同じ作者でミステリーだと思ったらドラマだった読後感と、ドラマだと思ったらミステリーだった読後感どっちがいい?」 私「どっちでも~」サンタロウデモラエタミスドノフレンチクルーラーパクー 姉「……どっちがいいか聞いてるんだけ…

第十四回 「地底旅行」 ジュール・ヴェルヌ作 朝比奈弘治訳 (岩波文庫)

今回の参加者:私、お姉ちゃん、シュガさん ある日、シュガさんは言いました。 シュガさん「冒険がしたい」 私・姉「!?」 シュガさんはたまに冒険がしたくなります。今回の行き先は地底だと言うことで、ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」に決まりました。 …

第十三回 「差別語からはいる言語学入門」 田中克彦 著 (ちくま学芸文庫)

今回の参加者:私、お姉ちゃん、シュガさん 普段しゃべっていて、あんまり言葉について考えることってありません。 例えばいま使った「普段」という言葉。実はもともと漢字では「不断」と書いていて「いつまでも続く意味」が転じて「いつもの状態があること…

第十二回 「丘の屋敷」 シャーリイ・ジャクスン 著 渡辺 庸子 訳 (創元推理文庫)

今回の参加者 私、お姉ちゃん、シュガさん 私はいわゆるホラー物がダメです。 なにがいやなのでしょうか、と自分自身に問いなおしてみました。 ・暗さを巧みに利用した奇襲攻撃。 ・不気味な無生物が動くこと。夢の国の着ぐるみなんかも怖い。 ・死の恐怖。…

第十一回 「地図と領土」 ミシェル・ウェルベック 著 野崎 歓 訳 (ちくま文庫)

今回の参加者:私、お姉ちゃん、シュガさん 「ハヤカワ文庫の本裏のあらすじが壮大なネタバレになっていた!(怒)」 なんて話を良く聞きます。 その洗礼を初めて受けたような気がしています。もしこれから読む人は「帯」も「あらすじ」も見ずに読むことをお…

映画鑑賞 「夜明け告げるルーのうた」(※ネタバレあり)

友人と一緒に「夜明け告げるルーのうた」を見てきました。 映画館で映画を見るときって、あんまり泣きたくないんですよね。大勢の中で鼻をすすったりすると恥ずかしくて、かといって鼻水垂れ流しにすると気になるし・・・。 だからねむようこさんのポップで…

第十回 「ラピスラズリ」 山尾悠子 著 (ちくま文庫)

今回の参加者:私、お姉ちゃん、シュガさん 世の中には分からないものがあります。 数年前、数少ない友人から薦められた山尾悠子さんの「ラピスラズリ」。 難しくて、小説の世界にまったく入れずわけが分からない、と友人に言った時の苦笑いが今でも忘れられ…

第九回 「自負と偏見」 ジェイン・オースティン著 小山太一 訳(新潮文庫)

ぎりぎり四月、間に合いました!!! 深夜番組表だったらまだ四月です!なのでぎりぎり月一本ペースのはずなんです! 今回の参加者 私、お姉ちゃん、シュガさん ああ! 面白かった! 600ページほどの「自負と偏見」を読み終わり、満足感でいっぱいになり…